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法令の読み方 ~3秒で諦めない為に~

法令をスムーズに読むためのコツとは

会社を設立するとき、新規事業を立ち上げようとするときなど企業運営においては、法令が必ず関わってきます。
多くの人が必要となる法令は、既に要点だけが読みやすいようにまとめられた行政のサイトや専門家の記事が存在します。
しかしながら、どうしても法令から読み解く必要なシーンが出てきたとき、法令の条文は細かく、読みにくいため、いざ読もうと思っても、ページを開いた瞬間に離脱してしまう人も多いのではないでしょうか?

そんな「法令アレルギー」と対峙する時に効く、ノウハウを3つほどご紹介しようと思います。

とりあえず目次からキャッチアップ

法令を読む際に、まずやってほしいことは、「目次」を読むことです。
「目次」とは、本やWebページなどの最初にあり、どのページにどのようなことが書いてあるかを記載したものです。
これは、法令でも同じで、法令の最初に何条はどのようなことが書いてあるかが見出しというかたちで記載されています。
「目次」を読むと、大体その法令に書かれている内容がわかるということです。

また、「目次」を読むことで、その法令に係る法制度の大まかな流れがわかることもあります。
企業に係る法令は、たいてい法制度手続の順番で規定されているため、「目次」を追っていくと、手続の流れがわかるのです。

それでは、会社法の一部を例にして実際に見てみましょう。

第二編 株式会社
 第一章 設立 
 第一節 総則(第二十五条) 
 第二節 定款の作成(第二十六条―第三十一条) 
 第三節 出資(第三十二条―第三十七条) 
 第四節 設立時役員等の選任及び解任(第三十八条―第四十五条) 
 第五節 設立時取締役等による調査(第四十六条) 
 第六節 設立時代表取締役等の選定等(第四十七条・第四十八条) 
 第七節 株式会社の成立(第四十九条―第五十一条) 
 第八節 発起人等の責任等(第五十二条―第五十六条)

これは、会社法の第2編株式会社のうちの第1章設立の「目次」の一部です。
まず、第2節を見てください。ここには「定款の作成」と書かれており、ここから会社を設立する際には、定款というものを作成しなければならないということがわかります。
そして、この定款の作成については、第26条から31条に書かれていることがわかります。

次に、第1節から第7節まで「目次」を縦に読んでみてください。
そうすると、会社を設立するためには、「定款を作成し、出資をする。その際に設立時役員等を定める必要がある。」ということがなんとなくわかると思います。
このなんとなくわかるというのが重要です。

多くの人が「目次」を飛ばしがちですが、「目次」を読んで、なんとなく流れをつかんでから条文を読む人とそうでない人では、条文の理解に差が出てくるのです。

()括弧内はあとまわし

目次を読んだら、いよいよ条文に突入です。
条文にも小見出しがついていますので、まずはそれを見て何について書かれた条文なのかを確認しましょう。
そして、条文を読むときに重要なのが、「括弧を飛ばして読む」ということです。

条文には、しばしば括弧がついていて、さらに括弧の中に括弧がついていることもあります。
この括弧を含めて読もうとすると、括弧はどこまでで、どこにかかっているのか等、混乱してしまい内容を理解できなくなってしまいがちです。
そこで、まずは一端括弧を無視して読み、内容を把握してから括弧の中を読んで詳細を理解するというようにすると、混乱がなくなります。
これも、会社法を例に見ていきましょう。

(定款の作成)
第二十六条  株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印し  なければならない。
2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。
 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

これは、会社法の第26条で、定款の作成についての規定です。
第2項を見てください。電磁的記録の後ろに括弧がついていますね。
この括弧の中の長い文章を読んでいると、何の話をしていたのかわからなくなってきてしまいます。
このような場合には、まず括弧を飛ばし、「前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。」と読んでしまうのです。
そうすると、定款は電磁的記録でも作成できるということがわかりますよね。
それから、じゃあ電磁的記録とは何だろう?といって括弧の中を読むと、電磁的記録が何を指すかわかるのです。

ここでも、大まかにわかることが大切です。大枠がわからないと、詳細を理解することは難しいですからね。

動きが出る条文にマーカー

最後は、条文を読むときの意識についてです。
条文の文字を追っていても、内容を理解することは難しいです。
そこで、条文を読む際には、「動き」を意識して読んでみてください。

法令とは、人が社会生活を送るうえでのルールです。
したがって、条文の多くは、「こういうことをすると、このような事になる」というように規定されています。
ですから、どういうことをすると(原因)、どのような事が生じるのか(結果)を意識して読むと、理解しやすいと思います。
またまた、会社法を例に見てみましょう。

(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)
第五十二条  株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。

これは、会社法第52条で、会社の設立に際し現金ではなくて物で出資した場合の責任について書かれた条文です。
ですから、この条文を読む際には、どのような場合に(原因)、責任が生じるのか(結果)という意識で読むと、内容を把握しやすくなります。
そうすると、出資した物の価額が定款に記載又は記録された価額よりかなり安かった場合に(赤文字部分)、発起人及び取締役と株式会社が連帯して不足額を支払わなくてはならない(青字部分)ということがわかります。

ここでの大切なことは、何するとどうなる、を意識して読むことです。
少しの意識の違いで、読みやすさが全く違うはずです。

まとめ

今回、法令の読み方のポイントをご紹介しましたが、参考になったでしょうか?
法令を読む際には、この基本的な3つのポイントをぜひ、実践してみてください。

ここで、今回は、企業の運営に係る法令をわかりやすく読むことを意識したポイントとなっていますので、全ての法令に当てはまるわけではありません。
その点はご了承ください。